人権とは何か?
人権とは、「すべての人が生まれながらにして持っている権利」のことです。
私たちは誰でも、幸せに生きる権利や自由に意見を言う権利を持っています。
これらは、人種、性別、国籍、宗教などに関係なく、すべての人に平等に与えられているものです。

人権獲得の歴史
今でこそ「人権」は当たり前のものとされていますが、歴史の中で多くの人々が闘い、考えを深めることで勝ち取ってきたものです。
ヨーロッパでは、17世紀から18世紀にかけて「啓蒙思想」と呼ばれる新しい考え方が広まりました。
これは、「神中心」だったキリスト教の価値観から離れ、「人間中心」へと転換を図るものでした。
これらの思想は、人々に自由や平等の大切さを気づかせました。
残念ながら、当時のヨーロッパはイギリスやフランスなど、王が強大な権力を持ち、簡単に人としての権利が侵害される状況でした。
人権を獲得するために必要なことは、武器を手に取ることでした…
ヨーロッパやアメリカでいくつかの大きな革命が起こります。
- イギリスの権利章典(1689年):国王の権力を制限し、国民の自由を守ることを目的とした法律
- アメリカ独立宣言(1776年):アメリカはイギリスからの独立を宣言し、「すべての人は平等に作られている」と強調
- フランス人権宣言(1789年):フランス革命の中で発表され、「自由・平等・友愛」の精神をもとに、人権が広く認められる
これらによって、以下の図のように法によって政治権力を制限し、政治が市民のために行われるしくみが誕生しました。
「立憲主義」と呼ばれています。

これらの出来事は世界中に影響を与え、日本をはじめ多くの国で人権を保障する動きが広がりました。
日本国憲法と人権
日本では、日本国憲法が私たちの人権を守っています。
特に、第11条と第97条で基本的人権の尊重が明記されており、「侵すことのできない永久の権利」とされています。また、第14条では「すべて国民は法の下に平等である」と規定され、差別を禁止しています。
どんな人権があるの?
人権にはさまざまな種類があります。代表的なものをいくつか紹介します。
- 自由権:自分の考えを自由に表現する権利や、好きな仕事を選べる権利などがあります。
- 平等権:人種や性別などに関係なく、誰もが平等に扱われる権利です。
- 社会権:健康で文化的な生活を送る権利や、教育を受ける権利が含まれます。
- 参政権:選挙に参加して、自分の意見を政治に反映させる権利です。
人権が守られていないときは?
現実には、いじめや差別、ハラスメントなどで人権が侵害されることがあります。
たとえば、学校で誰かがひどくからかわれていたり、SNSで悪口を言われていたりするのも人権侵害にあたります。
このようなときは、一人で悩まず、先生や家族に相談しましょう。
私たちにできること
人権を守るためには、自分の権利だけでなく、他の人の権利も大切にすることが重要です。
たとえば、相手の意見をきちんと聞くことや、困っている人がいれば声をかけることも人権を尊重する行動です。
日常生活の中で、「自分がされたらどう思うか」を考えて行動することが大切です。
まとめ
人権は、みんなが安心して暮らすために欠かせない大切なものです。
自分の権利を知り、守ることはもちろん、他の人の権利を尊重することも忘れないようにしましょう。
小さな思いやりが、みんなが暮らしやすい社会をつくる第一歩です。
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