グローバル化の進展
身の回りには様々な製品があふれています。
みなさんの大好きなスマートフォン、お肉、動画やSNSサービスなどがイメージしやすいでしょう。
そのほとんどが海外製品や海外のサービスであることは分かると思います。
まさに、グローバル化が進んでいるのです。
グローバル化とは、人、物、お金、情報などが国境を越えて地球規模で行き来することを指します。
昔は、国と国の間での移動や交流が限られていましたが、今では飛行機や船、インターネットの普及によって簡単に世界とつながれるようになりました。

例えば、皆さんがスマートフォンで見ている動画やSNS投稿の多くは、海外で作られたものも含まれています。
また、身近なところでいうと、スーパーに並んでいるバナナやチョコレートは、遠く離れた南米やアフリカで育てられたものかもしれません。
これらはすべて、グローバル化によって実現しているのです。
特にインターネットの発展は、グローバル化を一気に加速させました。
今では、世界中どこにいてもリアルタイムで情報を交換したり、オンラインで商品を購入したりすることが当たり前になっています。
国際分業とは?
グローバル化が進む中で重要になるのが「国際分業」という考え方です。
国際分業とは、各国が得意な分野で生産活動を行い、それをお互いに補い合う仕組みのことを指します。
たとえば、日本では高度な技術を使った車や電化製品を作るのが得意です。
一方で、原料となる鉄鉱石や石油は海外から輸入しています。
この仕組みがうまくいくと、各国が自分たちの得意分野で効率よく生産を行い、その成果を交換し合うことで、全体として豊かになることができます。
これを「比較生産費説」と名付けたのが、リカードという人物です。(※高校で勉強します)
ざっくり説明すると、「各国は自国でより効率的に生産できるものに特化し、苦手な分野は他国から輸入した方が世界全体として利益が大きくなる」という考え方です。

皆さんが食べるチョコレートを例に考えてみましょう。
チョコレートの原料となるカカオ豆は、日本では育てることができません。
熱帯地域でしか育たないカカオは、ガーナやコートジボワールといった国々で栽培されています。
これらの国々はカカオを日本に輸出し、日本の工場ではそのカカオを使っておいしいチョコレートを作り出します。
逆に、日本で作られた車はどうでしょうか。
日本ではトヨタや日産といった世界的に有名な自動車メーカーがありますが、これらの車はアメリカやヨーロッパ、中東など世界中に輸出されています。
こうした国際分業によって、それぞれの国が自分たちにないものを手に入れることができるのです。
国際分業のメリットと課題
良い点(pros)
国際分業には大きなメリットがあります。
一つ目は、効率的な生産が可能になることです。
各国が得意なものを集中して作ることで、コストを抑え、質の高い製品を提供できます。二つ目は、商品やサービスの選択肢が広がることです。
国際分業のおかげで、世界中の特産品を楽しむことができるようになりました。
例えば、日本に住む私たちは、海外から輸入されたマンゴーやワインを手軽に楽しむことができます。
また、外国では日本のアニメや寿司が大人気です。このように、国際分業は私たちの日常生活を豊かにしてくれています。
課題(cons)
しかし、課題もあります。
一つは、貧富の差が広がる可能性があることです。
たとえば、カカオを作る国々では、農家の人々が低賃金で働いている場合があります。
一方で、チョコレートを売る企業は大きな利益を上げていることも少なくありません。
また、国際分業が進みすぎると、一部の国が他国に依存しすぎる状況が生まれることもあります。
もし輸入先の国で問題が発生すると、必要な資源や製品が手に入らなくなるリスクがあるのです。
例えば、コロナ禍の際には、一部の医療用品や半導体が世界中で不足しました。
これは、特定の国や地域に生産が集中していたことが原因の一つです。

私たちにできること
グローバル化と国際分業は、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。
だからこそ、私たち一人ひとりも世界の問題に目を向けることが大切です。
例えば、フェアトレード製品を選ぶことがその一つです。
フェアトレードとは、生産者に適切な賃金を支払い、持続可能な方法で製品を作る取り組みです。
チョコレートやコーヒーなど、フェアトレードマークのついた商品を選ぶことで、遠い国の生産者を応援することができます。

また、物の背景に目を向ける習慣をつけることも重要です。
自分が使っているものがどこで、どのように作られたのかを知ることで、世界と自分のつながりを意識することができます。
まとめ
グローバル化と国際分業は、世界をつなぐ重要な仕組みです。
これによって、私たちは多くの便利さや豊かさを手に入れていますが、その裏には解決すべき課題もあります。
これからの時代を生きる皆さんが、世界とのつながりを意識し、理解し、行動することで、より良い未来を築くことができるでしょう。
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